知っておきたい注意点とトラブル事例

知っておきたい注意点とトラブル事例

訪問入浴は介護が必要なお年寄りに自宅でゆっくりと入浴してもらうサービスですが、デリケートな問題も多いため配慮が必要です。ここでは訪問入浴で注意しておきたいことや実際にあったトラブル例を紹介します。

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羞恥心を感じる人も多い

すべての人が訪問入浴を受け入れているわけではありません。人前で裸になり肌をさらすわけですから、羞恥心などで拒否する人もいます。何度か入浴してもらううちに慣れてきますが、人前で裸を見せることに羞恥心を感じていることに配慮し、できる限り肌を露出しないように工夫する必要があります。

それぞれのやり方を尊重する

頭を洗ってから身体を洗う人、顔は清拭でなくお湯で洗顔したい人、などお風呂の入り方や習慣は人それぞれ違います。効率良くすすめる手順などもあるかもしれませんが、入浴の満足度を高めるには人それぞれのやり方を尊重することが大切です。

全身を観察する

入浴時は全身の状態をチェックする良い機会です。新たな褥瘡や傷がついていないか、肌が赤くなっていないかをしっかり確認します。もし、それらが見られたらご家族へ報告し訪問看護師に伝えてもらいましょう。

トラブル事例:入浴拒否

羞恥心などで入浴を拒否する人もいる、と先述しましたが、それ以外にも認知症などが原因で入浴を拒否する人もいます。羞恥心を感じる人には肌を露出させない、同性のスタッフを担当にする、認知症の人にはお風呂に入ることを理解してもらう、などで対策はできますが、すべての事業所で対応しているわけではないため本人やご家族の希望が叶わないこともあります。

トラブル事例:医療行為が行えない

看護師が同行するため医療行為をしてもらえると思っている人もいますが、訪問入浴は訪問介護の一種のため、健康状態の確認以外の医療行為はできません。看護師が訪問入浴でできることはバイタルチェックや湿布のはりかえ、軟膏の塗布などの簡易なものばかりで痰の吸引や褥瘡のケアなどはできません。

訪問入浴を安全に行うために

入浴時は事故が起きやすいので注意が必要です。温泉化学研究所が2,330ヶ所の訪問入浴事業所を対象に行った調査によると、正常に入浴したのは1,511例、事故や体調不良等の問題があったのは596例でした。この結果を踏まえて、温泉化学研究所と東京都市大学では訪問入浴を安全に行うためのガイドラインを発表し、入浴による事故などの減少を呼び掛けています。
このガイドラインによると、高血圧や発熱したときは事故が発生するリスクが高いため、「入浴前に血圧が160mmHg以上/100mmHg以上のとき」「体温が37.5度以上のとき」は入浴を避けるように記載されていますが、絶対的な基準ではないため最終的には個人の判断に任されています。

訪問看護に興味がある方へ

当サイト「看護師のための訪問入浴ガイド」をご覧いただきありがとうございます。このサイトでは訪問入浴の概要を紹介しながらスタッフの一人として働く看護師の役割ややりがいをまとめています。ブランク明けの復職にピッタリなので復職明けの仕事探しに悩んでいる人はぜひチェックしてみてください。

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