必要な看護技術は?
医療行為はほとんどないとはいえ、最低限必要とする看護技術はあります。訪問入浴で必要になる看護スキルをまとめていくので、これから訪問入浴にチャレンジする人はぜひチェックしてみてください。
唯一できる医療行為「バイタルサイン測定」
訪問入浴で看護師が唯一できる医療行為がバイタルサインの測定です。元々の数値と比較するためにも基本のバイタルサイン測定がしっかりとできている必要があります。バイタルサインでチェックすべきポイントは以下の通りです。
「体温」
寝たきりの人は熱がこもっている場合があるので、「平熱以上になっていないか」をしっかりと確認しましょう。また、痩せ過ぎの人は体温計を自分で挟むことができないので、正しく計測するためにサポートすることもあります。
「血圧」
訪問入浴を行っているほとんどの事業所では、空気を送って圧を高めて聴診法で血圧を測定するアネドイロ血圧計を使用しています。巻き方や聴診器の当て方が正しくなければきちんと測定できないため、訪問入浴の前に使い方を確認しておきましょう。
「脈拍」
時計を見ながら「頻脈や除脈はないか」「不整脈はないか」脈拍の強弱や大きさは?」などを確認します。事業所によっては備品のひとつとして時計が準備されていることもありますが、止まったり壊れていたりする可能性もあるので予備として自分の時計も持参しておいた方がいいでしょう。
「呼吸」や「むくみ」など
「呼吸の回数や深さ、リズムなどが極端になっていないか」「肺に雑音がないか」「むくみがないか」などを確認します。
もしバイタルサインの測定に不安があるなら
バイタルサイン測定は看護師にとって当たり前に行っている看護技術ですが、お年寄りの状態を把握するためにも欠かせない重要な観察項目です。異常がないかを総合的に見ていきましょう。もし当たり前の業務過ぎて基本のバイタルサイン測定に不安があるなら、【まるごと やりなおしのバイタルサイン: アセスメント力がつく! 正常・異常がわかる!】をチェックしてみてください。測定結果を正しくアセスメントするために効果的な考え方が掲載されているので復習に最適です。
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コミュニケーション能力も必要
訪問入浴は医療行為がほとんどないため高度な看護技術は必要ありませんが、チームで一日中、一緒に行動するため、介護スタッフと折り合いが悪ければ厳しい状態で仕事をすることになってしまいます。単発なら少しくらいの人間関係の拗れは気にしなくても構いませんが、長く続ける場合は人間関係が悪いと仕事にも大きな影響を与えてしまうため、良好な人間関係を築くように努力しなければなりません。