訪問介護との違い
訪問入浴は訪問介護の一種のせいか、「訪問介護の入浴介助」と混同している人も少なくありません。ですが、この二つは似ているようでまったくの別物です。訪問介護の入浴介助と何が違うのかを見ていきましょう。
訪問看護と訪問介護
まずは訪問看護と訪問介護の違いから見ていきましょう。お年寄りの自宅を訪問して必要な支援をする、という点では同じかもしれませんが、「介護」と「医療」という大きな違いがあります。訪問介護は看護師業務の一部を切り出してホームヘルパーが行う介護サービスですが、訪問看護は病気や障害を持った人をケアする仕事です。
訪問介護の入浴介助との違い
訪問介護の入浴介助はホームヘルパーがお年寄りの自宅の浴槽を掃除してお湯をはり、介助や見守りなど人それぞれ必要なサポートでお年寄りの入浴をサポートします。一方、訪問入浴は自宅の浴室では安全にお風呂に入ることができないお年寄りに対して、簡易型浴槽を持ち込んで健康状態を確認しながら入浴をサポートするため、要介護度が高いお年寄りが訪問入浴を多く利用しています。
要介護度の高いお年寄りが安全に入浴するためにも、スタッフ一人ひとりのスキルとチームの連携が欠かせません。訪問入浴がはじめての場合は戸惑うこともあるかもしれませんが、お年寄り気持ちよく入浴できるように手際よく細心の注意を払いながらサポートしていきましょう。
訪問看護師との違いは?
大きな違いは「医療行為ができるかどうか」です。訪問入浴の看護師はバイタルサインの測定や軟膏の塗布は行いますが、それ以外の医療行為はできません。バイタルサインを確認し、普段よりも体温が高い場合や医師から「血圧○○mmHg以上は入浴中止」などの指示が出ている場合は入浴を中止し清拭に切り替える、などの判断や入浴前後の健康状態のチェックが仕事です
健康状態のチェックは入浴前後だけでなく入浴中も行います。訪問入浴はお年寄りを快適にする一方で体調の悪化や事故などのトラブルもそれなりにあります。体調が急変した場合は医師が同行していないため看護師が判断して注射を行う場合があります。また、胃ろうやマーゲンチューブの管が挿入されている利用者には専門的な知識や技術を持つ看護師が処置します。
一方、訪問看護師は病気や障害を持ちながら自宅で生活している人を訪問し医師のサポートや生活のお世話をするのが仕事です。医師の指示で注射や点滴などの医療処置を行います。